今回は、セントケア神奈川株式会社が運営する「セントケア久里浜」(神奈川県横須賀市)の訪問介護員・山田祐子さんから話をお聞きしました。セントケア久⾥浜は訪問介護・訪問入浴・居宅介護支援を行う事業所です。以前はIT系企業でシステムエンジニア(SE)としてコンピューター関連のお仕事をされていたそうです。理系の山田さんですが、介護の仕事はご自身にあっていたようです。

大学卒業後にIT系ベンチャー企業にSEとして就職。25歳で結婚を機に退職。その後は派遣社員としてIT関連の企業でSEの仕事を続ける。お義母様の怪我をきっかけに介護の仕事を知り、興味を持つ。現在は訪問介護員として、笑顔でのケアを心掛けている。
1993年4月 | 大学を卒業後、IT系ベンチャー企業に就職 |
1996年~2007年 | 結婚を機に退職し、派遣契約のSEとして勤務 |
2007年2月~ | セントケア神奈川入社 |
山田祐子さんのLIFE STORY
IT企業のSEとして激務をこなしてきた
以前はどのようなお仕事をされていたのですか?
大学で情報学部経営情報学を専攻していたので、IT系のベンチャー企業に就職し、システムエンジニア(SE)として働いていました。最初に入った会社は、主な取引先がコンピューターの大手企業で過酷な労働環境でしたね。当時は好景気で仕事がたくさんあったので、ひたすら残業をこなす日々でした。

SEのお仕事は、長時間労働という点以外ではどのようなことが大変でしたか?
やりがいのある仕事ではありましたが、とにかく忙しかったです。基本的にはクライアントの依頼を受けて情報処理システムを開発していました。基本的な設計から細かい箇所まで、試行と打ち合わせをしながら進めていきます。
今思えば、「やりがい」というよりは「やらざるを得ない」毎日でしたね(笑)。結婚を機に、25歳で退職しました。
その後も派遣会社に登録して、SEとして働いていました。派遣契約だと定時で帰れて、土曜や日曜、祝日も休めるので、家事や子育てと両立しやすかったからです。SEは専門職なので、非正規雇用でも給料は良かったんですよ。
介護職の方がパソコンを使う機会は増えていますよね。当時のスキルは活かせていますか?
介護業界もIT化が進んでいて、現在はスマートフォンで報告書を作成しています。そのため、パソコンでの作業に慣れていたことは役に立っていますね。
パソコン操作とは離れますが、プログラミングを学んでいたので、何でも理論的に考える習慣がついていたことも良かったと思います。例えばお客様がうまく歩けないとき、歩き方について筋肉の動かし方や、動かす向きを変えてみます。このように理論的に解決策を考えると、うまくいったりするんです。
Before | After | |
---|---|---|
雇用形態 | 派遣 | 正社員 |
業種 | ソフトウェア開発 | 訪問介護 |
職種 | システムエンジニア | 訪問介護員 |
勤務時間 | 9:00~18:00 | 8:30~17:30 |
休日 | 土日祝日 | 土日 |
仕事内容 | プログラミング | 訪問介護サービス提供責任者 |
義母の怪我が介護職を深く知るきっかけに
介護の仕事に興味を持たれたきっかけは、どんなことだったのでしょう?
義母が怪我をしたときに、介護職の方がお世話をしてくださったことです。今でも、とてもいい方だったのを思えています。「こういう仕事もあるんだな」と、そこで介護業界について改めて知ることができました。
そしてこれから必要になる仕事だと思ったので、「ホームヘルパー2級」(当時)の資格を取ったんです。でも、このときは転職までは考えていませんでした。
介護の仕事をやってみようかなと思ったのは、子育てが落ち着いてきた頃ですね。セントケア久里浜は、通勤に便利だったこともあって選びました。人間関係がよく、居心地がいいので働きやすい職場です。

セントケア久里浜に採用されたのはいつ頃ですか?
2007年2月です。もう働き始めてから14年になりますね。今ではSEより、介護職としてのキャリアのほうが長くなりました。今から前職には戻れないと思います(笑)。
現在のお仕事内容を教えてください。
セントケア久里浜で提供しているサービスには、「訪問介護」「訪問入浴」「居宅介護支援」の3つがあります。私は入社時から訪問介護を担当しています。
訪問介護は、住み慣れた家で「その人らしく」生活が続けられるように、スタッフがご自宅に伺って日常のお手伝いをさせていただくものです。

食事や排泄、着替え、服薬の介助など身体介護のほか、お掃除や調理など日常生活に必要な家事の援助などを行います。
訪問時は、看護師を含めた3名のスタッフが移動入浴車でご自宅に伺います。お客様のコンディションやご要望に配慮しながら、洗髪、洗顔、洗体などを行います。
ただ、すべてを訪問介護員が支援するのではありません。ご自身で行えることを維持したり、可能であれば増やしたりできるような方法とっています。
居宅介護支援は、当社のケアマネージャーによるケアプランの作成、介護や介護保険に関するご相談、手続き代行などを行っていますよ。
移動中のドライブがリフレッシュの時間に
現在の山田さんの働き方について教えてください。
基本的に8時から17時の勤務で、残業はほとんどありません。訪問先によって変わりますが、1日に4ヵ所の訪問を担当しています。

訪問先ごとの滞在時間は、サービス内容に応じて30分から1時間半くらい。お掃除だけだと30分、買い物をして調理する場合で1時間半くらいです。 業務が終わると、スマートフォンで報告書をつくって会社に提出します。
休憩時間の過ごし方も教えてください。
事務所で過ごすこともありますし、お客様のご自宅間の移動中には車内で休憩することもあります。デスクワークと現場の仕事をこなしていると、その間のドライブがリフレッシュの時間になっていますね。

ケアマネへのキャリアアップも選択肢に
今後の目標を教えてもらますか?
介護福祉士とケアマネの資格を取得しているので、このまま介護士として働くのか、ケアマネに転向するのか、ちょうど今考えているところです。職場のケアマネは、お客様やご家族にとても優しく気遣い、接していて、尊敬できる存在です。なので、私にも同じことができるのか、不安もありますね。

キャリアアップに選択肢があると、迷いますよね。山田さんは、どんな方と一緒に働きたいですか?
新型コロナなどの悪影響にめげず、介護の仕事を前向きに考えて臨機応変に対応して下さる方がいいですね。
これから介護職を目指す方に向けて、一言お願いします。
介護の仕事は大変だと言われますが、実際にやってみると私自身はそれほど思いませんでした。やる気さえあれば誰にでも挑戦できる環境だと思います。
私自身がそうだったので、ご興味があれば「ちょっとやってみようかな」という気軽な気持ちで始めてみてはいかがでしょうか。

撮影:公家勇人
はこちら セントケア神奈川株式会社