今回は、東京都練馬区のデイサービス「ヒューマンライフケアあいぞめの湯」の介護士・木村秀一さんから話をお聞きしました。木村さんは、大学卒業後に就職した郵便局を2013年に退職して「ヒューマンライフケア」に入社。「窓口からデスクワークまで経験していますが、利用者様から『ありがとう』と言われる現在の仕事に満足しています」と笑顔で話してくださいました。

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Profile 介護士 木村 秀一さん

学校を卒業後、郵便局に就職。滋賀県に配属される。大好きな京都の四季を満喫した後、郵政省へ栄転。社内で発覚した不祥事に疑問を持ったことなどから、2013年に退職して現在の職場へ。「家事と育児は夫婦で50:50(フィフティフィフティ)」が信条で、家事も得意。特に洗濯にはこだわりがある。

経歴
1984年 郵便局に就職
1986年~1997年 郵政省に異動
1997年~2013年 子育てのため地元の支店に異動
2013年~ ヒューマンライフケア入社
長所 ポジティブなところ
短所 計画的な行動が苦手
趣味 勉強・バイク・ギター・スキー
特技 家事全般(特に洗濯)

「京都に住みたくて」関西の郵便局に就職

まずは、前職について教えてください。

前職では、郵便局員として働いていました。1年の就職浪人を経て郵便局に就職、ずっと住んでみたかった京都府…ではなく、隣の滋賀県に配属されました。滋賀にいた2年の間に、京都の四季を満喫することができました。

私の出身は茨城県ですが、京都の桜や神社仏閣が好きで、学生の頃からずっと住みたいと思っていたんです。それで、関西で就職するために地元の銀行の採用内定を断って入社しました。今では考えられないですが、1980年代の不動産バブル期で景気がよかったから、できたことですね(笑)。

その後に転用試験に合格して、10年ほど郵政省で勤務しました。

郵政省でのお仕事は激務だったのでは?

中央官庁なので、とにかく忙しかったですね。当時の職場があった霞が関は不夜城と呼ばれていて、毎晩終電まで残業する生活でした。民営化への過渡期でもあり、特に忙しかったんです。

その頃に子どもが生まれました。私の妻は日本語学校の教師をしていて、休みが取りにくい環境です。私は「家事と育児は夫婦で50:50(半分ずつ平等に分担)」だと思っているので、休みを取りやすい職場に移ることにしたんです。

そこで、地元の郵便局への異動を願い出たら、すんなり通ってしまって(笑)。自宅から自転車で10分くらいの支店に配属されました。これも今では考えられないことですね。

職場の不祥事に納得できず退職、介護の道へ

どうして郵政の仕事から介護業界に興味を持ったのですか?

きっかけは、前職で介護関係の業務に携わったことです。1997年度に「高齢者にやさしい町づくり」の事業として、「ケア・タウン構想」が打ち出されたんです。郵便局の簡易保険に加入している高齢者を対象にした福祉関連事業で、私も事務局に配属されました。

その事業では、高齢化が進んでいる地域を中心に、職員にホームヘルパー3級(※現在は廃止)の資格を取らせたり、生活相談や介護支援ベッドなどの貸し出しをしたりするんです。

これに先駆けて事務局員の私もヘルパーの資格を取るように指示され、福祉や介護関連の皆様と接する機会をいただきました。このときに介護施設を見学させていただいて、現場で真摯にお仕事をされている姿に感銘を受けました。転職はまったく考えていませんでしたが、そのことが心の奥に残っていました。

転職を考えるきっかけになったのは、社内の不祥事が発覚したことです。ご存知かもしれませんが、主力商品の保険金が高齢者にきちんと支払われていなかったのです。直接的に担当したことはなかったのですが、高齢者には「10年後の保険」よりも今のうちにお金を使っていただくべきなのに、会社として保険の勧誘を優先していたことに罪悪感がありました。

カッコよくいうと「不適切な業務に耐えられなくて辞めた」ということになります。あの頃は私のように組織に嫌気がさして辞めた人も多かったんです。

退職して1ヵ月ほど転職活動をして、今の職場で採用していただきました。介護を選んだのは、郵政省での勤務中にヘルパーの資格を取っていたので印象が良かったことのほか、業界として今後も需要があること、健康なら長く勤めることができそうなことが理由でした。

さらに言えば、私の親も高齢で介護を身近に感じていましたし、前職の会社が行ったことに対する罪滅ぼし的な意味もありますね。

  Before After
雇用形態 正社員 パート
業種 郵政事業 デイサービス
職種 保険販売員 介護士
勤務時間 8:00~17:00(残業1時間) 8:00~17:00(残業2時間)
休日 土日祝 週休2日のシフト制
仕事内容 窓口業務・事務 身体介助
生活支援

前職でのご経験は、現在の介護職でも生かせていますか?

そうですね。郵便局で培った接遇のスキル、郵政省時代のデスクワークで得たことが、生活相談員としての職務の際に役立っています。

かつての上司から「仕事はキャッチボール。ボールがどっちにあるかをよく見ろ。投げられたボールはすぐに返せ」と言われていて、これはずっと守ってきました。頼まれたことはすぐに取りかかるようにしています。

また、「相手より紙一重でいいから上にいろ」とも言われました。つまり「相手よりも勉強しておけ」ということですね。これも実践を心がけています。

些細なことでも感謝される介護の仕事にはやりがいがある

現在はどんな業務に従事されていますか?

デイサービスなので、入浴の介助やレクリエーションなどを主に行っています。利用者様と過ごす時間が多いですね。一方で、生活相談員の職務も担当しているので、契約事務やサービス担当者会議の参加など事務関連の作業もこなしています。夏場の入浴介助は暑くて大変ですが、逆に言えば大変なのはそのくらいです。

私は2013年からパートのスタッフとして働いています。前職のときと生活スタイルを比較すると、起床と就寝の時刻はだいたい同じです。毎朝5時に起きて、家族の朝食の準備などの家事をしてから出勤します。19時くらいに退勤して、24時頃には寝ています。

ここで勤務していて思うのは、「利用者様から『ありがとう』と感謝の言葉をよくかけられる」こと。郵便局窓口では、いくら一生懸命やっても「当然」でしたから。ここでは、些細なことでも感謝の言葉をいただくことが多く、その度にやりがいを感じています。

処遇面でも、前職とは大きく変わったのでは?

変わりましたね。郵便局は基本的に土日祝が休みなのに対して、現在はシフト制の週5日勤務で、平日が休みになることもあります。平日の街はどこも空いていて楽だし、一人でバイクでふらっと出かけたりするのも楽しみです。

バイクは16歳で免許を取って以来、ずっと乗っています。バイク漫画が大好きで、漫画に出てきたモデルと同じものを愛用しています。

「ヒューマンライフケアあいぞめの湯」は、どのような施設ですか?

地元の銭湯「愛染湯」をリニューアルした施設なので、広くてゆったりとしたお風呂が自慢です。天井も高くて、開放感があります。 デイサービスのほか、訪問介護や居宅介護支援のサービスもご提供していて、介護予防用のトレーニングマシンも設置しています。要介護の方だけではなく、要支援の方にもご利用いただけます。

また、現在は新型コロナの影響で難しいのですが、映画会やカラオケ大会などイベントも多くあります。

スタッフ同士の仲がいいのも自慢です。特に若いスタッフは優秀ですばらしい人ばかりです。私の子どもたちと同世代の20代の若者たちも、指示した以上の仕事ができますし、利用者様にも礼儀正しいです。私のほうが勉強させてもらうこともありますよ。

プライベートはどのようにお過ごしですか?

公私ともに毎日とても充実しています。ギターを弾くのも好きで、施設のクリスマス会で弾いたりしています。

昼休みには、近くの図書館に行って本を読んだりしています。将来的な需要を考えて、今は英語を勉強したりもしています。政府は海外からの介護労働者の受け入れに前向きですから、今後は英語を話す人が施設にも来るかもしれません。そのときにコミュニケーションを取りたいので、今から準備しています。

TOEICにも挑戦していて、それなりの点数が取れるようになったら、また大学に入りたいですね。政治か生涯教育を学びたいです。介護の現場には人生の大先輩がたくさんいて、本当に学びの場なので、もっと勉強したいと思っています。

先にお話した通り、自宅では家事もこなしています。特に洗濯物を干したり、たたんだりすることにはかなりこだわりがあります。日光や風向きを考えて整然と干して、端をピシッとそろえてたたむんです(笑)。

理想の「行列のできるデイサービス」を目指して

今後の目標についてもお聞かせください。

「あいぞめの湯」は、現在も多くの利用者様にご利用いただいていますが、さらに増えるといいなと思っています。「行列のできるデイサービス」が理想ですね。

デイサービスは法的な制約もありますが、アニマルセラピーなど新しいセラピーの導入や有償ボランティア的なお仕事のご提供も検討したいです。

この仕事をしていると、高齢者も「働きたい」と思っていらっしゃるのがよくわかります。洗濯物たたみなどをお願いすると、喜んで手伝ってくださるんです。毎日おそろしいほどの洗濯物が出るので、とても助かっていますよ。

施設を利用される方は、とてもお元気で、しっかりされています。デイサービスに来られるだけですごいことなのです。

木村様は、どんな方と一緒に働きたいですか?

高齢者のお手伝いを希望される方なら、どなたにでもいらしてほしいです。お話した通り、「あいぞめの湯」は利用者様もスタッフも仲がよくて、楽しい職場です。スタッフを大事にしていて、とても居心地がいいからだと思います。

仕事で失敗しても適切にフォローしているし、休暇も取りやすいと思います。

人生は一回しかないのですから、この仕事をしてみたいと思ったらチャレンジしてほしいですね。人間、あっという間に年を取りますから、思い立ったときに行動してください。

私自身、介護の仕事に携われて本当によかったと思っています。

撮影:公家勇人

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