ソーシャルワーカーの平均給料・年収
厚生労働省の調査によると、ソーシャルワーカーの平均年収は約415万円となっています。
平均月給 | 約34万円 |
---|---|
平均年収 | 約415万円 |
ソーシャルワーカーの年収は労働者全体の平均年収である約443万円と比べると若干低めです。ソーシャルワーカーの給料は資格や役職によって給料に差が出ることが多いため、キャリアアップを目指すことで収入アップが期待できます。
ソーシャルワーカーの手取り
ソーシャルワーカーの平均手取り額は、約25万円前後となります。
ただし、20代の若手の場合は、20万円を切る場合もあります。
手取りとは、額面給料から税金および社会保険料などを天引きし、実際に自由に使える金額のことです。一般的に、額面給料の7~8割と言われています。
ソーシャルワーカーのボーナス
ソーシャルワーカーの平均年間賞与は約70万円です。
ソーシャルワーカーの賞与に関しては、公務員や大規模な団体では、一般的に月給の約4カ月分が年2回、夏と冬に支給されることが多いです。特に大企業では平均で年間85万円以上のボーナスが見込まれます。
一方、民間運営の施設では賞与が少ない傾向にあり、経済的な困難によりボーナスが削減されることもあります。
このため、職場選びは賞与の面でも重要な要素となります。
ソーシャルワーカーの福利厚生・手当
ソーシャルワーカーの手当や福利厚生は、勤務する機関の種類によって大きく異なります。
- 通勤手当
- 住宅手当
- リフレッシュ休暇
公的機関では、通勤手当や住宅手当といった基本的な福利厚生以外にも、リフレッシュ休暇のような特別な福利厚生が充実しています。
一方、民間企業では、福利厚生の内容が法人によって異なるため、就職や転職前にはどのような手当や福利厚生が提供されるのかを事前に確認することが重要です。
また、非常勤職員の場合は、社会保険の提供がないこともありますので、個人での加入が必要となる場合があります。
ソーシャルワーカーの年齢別・男女別の平均月給
ソーシャルワーカーとして働くケースが多い社会福祉士の年齢別、平均年収は以下の通りです。
全体的な傾向として、年収額は20代の頃が最も低く、年齢が上がるにつれて上昇し、50代頃にピークを迎えています。
男女別でみた場合、男性の平均年収は449万円、女性は320万円です。本人の能力や実績にもよりますが、男性の方が高くなる傾向があります。
ソーシャルワーカーの初任給
ソーシャルワーカーの初任給は、公的データこそないものの、最もメジャーな資格である社会福祉士の初任給が21万円~23万円程度であることから、同水準と推測されます。
月給 | 約21万円 |
---|---|
年収 | 約255万円 |
就職して勤続年数を重ねるにつれ、徐々に給与アップが見込めます。経験を積むことで40代後半には年収450万円程度までの昇給が期待できる職種といえるでしょう。
勤務先の規模が大きいほど給与水準は高めの傾向にあり、特に医療分野でのソーシャルワーカーは重要視される現状から、年収は増加基調にあります。
資格による給料の差
無資格
給料は、有資格者に比べて大きく劣ることはないと考えられ、約34万円程が平均的な給料となります。
ソーシャルワーカーは特定の資格は必須ではなく資格がなくても就労は可能ですが、多くの医療機関が社会福祉士や精神保健福祉士の資格保持者を採用条件としています。
これは、信頼性や支援の質を担保する目的です。さらに社会福祉士の場合、診療報酬加算の対象になるメリットもあります。そのため、無資格者と有資格者で給与差はあまりないと考えられますが、採用募集の量に差が出るでしょう。
資格取得により、幅広い勤務先を選択できるようになります。無資格でも働ける場合はありますが、将来的なキャリアアップを考えれば、資格取得をおすすめします。
社会福祉士
社会福祉士は、ソーシャルワーカーとして活躍する際に最も有力な国家資格です。
社会福祉振興・試験センターの『社会福祉士・介護福祉士就労状況調査結果』によると、社会福祉士の平均年収は、正社員の場合だと男性が約454万円、女性が約380万円、非正規社員の場合だと男性が約315万円、女性が約277万円です。
社会福祉士の資格を持つことで、医療現場などでソーシャルワーカーとして従事できる知識が身につきます。病気や障がいなどにより生活に困難を抱える方の相談に応じ、サービスの紹介や関係機関との橋渡し役を担います。
社会福祉士の資格保持は、ソーシャルワーカーのキャリアに大きく影響し、収入面でも働き方の選択肢が広がるメリットがあります。
社会福祉士の給料について詳しく知りたい方は、「社会福祉士の給料を年齢、職場、都道府県ごとに徹底解説!」をご参照ください。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神障がいのある方の社会復帰をサポートする国家資格です。
日本精神保健福祉士協会の調査によると、精神保健福祉士の平均年収は約300万円~400万円です。
収入は個人の経験年数や勤務先によって異なりますが、350万円前後が中心的な年収水準といえるでしょう。
医療現場で活躍するソーシャルワーカーにとって、精神保健福祉士の有資格者は望ましい存在です。傾聴スキルや福祉制度の知識があれば、入院・通院患者の心理社会的課題に適切に対応できます。
精神保健福祉士について詳しく知りたい方は、「精神保健福祉士(PSW)とは?仕事内容から資格の取得ルート、資格取得のメリットを解説」をご参照ください。
医療ソーシャルワーカー
医療ソーシャルワーカーとして働く場合、正社員であれば基本給が約17~23万円で、そこに各種手当がつきます。年収換算では約270万円~350万円ほどです。
ただし、これは平均的な金額となっており、実際には600万円以上の高年収者も存在します。経験とスキルが評価されれば、給与アップが見込めるのがメリットです。
医療ソーシャルワーカーの収入は、正社員の場合、経験年数や実績に応じて上がっていきます。専門性が高まれば管理職への道も開かれ、高年収を狙えるでしょう。
医療現場は福祉の専門家として高い報酬を得られるポテンシャルがあります。やりがいとキャリアアップの両立を目指せる職種といえるでしょう。
医療ソーシャルワーカーについて詳しく知りたい方は、「医療ソーシャルワーカー(MSW)はどんな職業?なるための方法や仕事内容を解説」をご参照ください。
生活相談員
生活相談員の平均月給は約18万円~20万円です。
年収ベースでは、生活相談員・支援専門員の平均は約410万円となります。
給与は経験年数や勤務先、所在地域などによって大きく変動します。例えば都市部では地方より高給与が期待できます
生活相談員は、高齢者やその家族に寄り添い、心理的・生活的支援を行う専門家です。待遇面でも一定の処遇が確保されていますが、さらなる処遇改善が求められる職種でもあります。
生活相談員の給料について詳しく知りたい方は、「生活相談員の給料を年齢や職場、都道府県ごとに徹底解説!」をご参照ください。
職種による給料の差
介護職員
介護職員の平均月給は約31万円前後、平均年収は約380万円前後となっています。
ソーシャルワーカーよりも年収は低めですが、これには仕事内容と必要資格の違いが理由として挙げられます。
初任者研修を受講し、技術を身につけた上で就労することで、給料の向上にもつながるでしょう。
ソーシャルワーカーが給料を上げる方法
資格取得を目指す
ソーシャルワーカーとして活躍するためには、適切な資格を持つことが大切です。資格取得により専門性が高まり、処遇面での向上も期待できます。
主な関連資格です。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)
社会福祉士・精神保健福祉士は国家資格です。指定の教育機関で学んだ後、国家試験に合格する必要があります。夜間コースもあり、働きながらでも取得可能です。
一方、介護支援専門員は上位資格に位置づけられます。受験には要件を満たす必要があります。
資格を持つソーシャルワーカーは、無資格者と比べて年収アップが期待できます。医療分野に従事する場合、社会福祉士や主事任用資格の保有が求められることが多いです。
専門性の証しとなる資格は、ソーシャルワーカーのキャリアにとって大きな武器となるでしょう。
勤続年数を重ねる
ソーシャルワーカーの給料は、勤続年数によって変動します。経験を積むほど、給与水準は上がっていく傾向にあります。
ソーシャルワーカーの勤続年数ごとの給与額を示す公的データはないですが、介護職全体でみた場合、厚生労働省の調査によると勤続年数1年未満の時点で23万円、5年で28万円、10年で31万円となっています。
同じ施設に長く勤務し続けると、定期的な昇給や役職昇進の機会が増えます。
これは、ひとつの職場で経験を積むことで、同僚・上司との絆も深まり、働きやすい環境づくりにもつながります。
ソーシャルワーカーを目指す方は、将来的なキャリアアップの機会が豊富な職場を選ぶことをおすすめします。勤続年数に応じた適切な待遇と、働きやすい雰囲気のある職場を見つけることが重要です。
管理者にキャリアアップ
ソーシャルワーカーとして経験を重ね、管理職へとキャリアアップすることで、大幅な給与アップが期待できます。
管理職になると役職手当が支給されるため、一般職員よりも高い給与水準となります。
ただし、管理職へのステップアップには相応の実績と能力が求められます。長期的な視野を持ち、着実に経験を積み重ねることが大切です。
また、経験を重ねれば重ねるほど、より高度な業務を任されるようになり、管理職へのチャンスが広がります。
転職する
現在の職場で給与アップが見込めない場合、転職を検討するのも一つの選択肢です。
介護業界は人手不足が続いている売り手市場のため、条件の良い職場への転職機会は多くあります。
国家資格を持つソーシャルワーカーなどの需要は特に高く、転職しやすい立場にあります。
ソーシャルワーカーは未経験でも採用される職場が多数あります。また、経験を積んでから給与の高い職場へ転職するのも得策です。
転職を決める際は、複数の求人を比較し、業界に詳しい人から助言を仰ぐことをおすすめします。
さらには、待遇以外にも勤務地や通勤時間、施設の方針や雰囲気なども確認することが大切です。
性急な転職は避け、十分な情報収集と準備を行ってから、最適な職場を選びましょう。
今後ソーシャルワーカーの給料は上がるか
ソーシャルワーカーの仕事は、今後ますます需要が高まると予想されています。そのため、人材確保のための処遇改善が検討される可能性があります。
高齢者人口の増加や児童虐待など、ソーシャルワーカーの相談援助が求められる領域は拡大しています。
2040年に必要とされる医療・福祉従事者数は1,070万人と見込まれています。しかし、厚生労働省の調査によると現時点で確保できる人数は974万人にとどまります。
特に医療ソーシャルワーカーは、患者の経済的・社会的問題解決に欠かせない存在です。医療機関における重要性が高まれば、年収アップにもつながるでしょう。
国家資格を持つ専門職として、ソーシャルワーカーの活躍の場は、今後ますます広がっていくと考えられます。