抱え上げるのではなく、立ち上がりやすい姿勢をつくる
入浴が人体にもたらす効果は実に多様で、温熱作用によって血液のめぐりが良くなったり、水圧作用によって、足にたまった血液が心臓に戻ったりすることが期待できます。また、浮力作用によって腰や膝への負担が軽減される点も見逃せませんね。今回は、足腰が弱くなっても、できるだけ湯船に浸かる生活をさせてあげたいと思ったときに役立つ、自力で立ち上がることが難しい方の入浴介助法をご紹介します。ここでのポイントは、介助者の足を活用すること。お湯の中では自分の足で踏ん張ることがいつも以上に難しいですから、介助者の足をストッパー代わりにして、安全な立ち上がりを支援しましょう。
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環境を整える

移乗台を用意する
浴槽のふちと同じ高さの移乗台に座ってもらいます。高さを調整できるのであれば、シャワーチェアでも代用可能ですよ。
(00:07~00:10)

浴槽台を用意する
小柄な方を介助する場合や、浴槽が深い場合に役立つのが浴槽台です。脚部に滑り止めがついているので、足台としてだけでなく、椅子としても安心して使えます。
(00:11~00:13)

お湯の温度を確かめる
高齢になると皮膚の感覚が鈍くなり、熱めのお湯を好みがち。しかし、熱すぎるお湯は心臓に負担をかけるので注意が必要です。適切な湯温は40℃前後と言われています。
(00:14~00:17)
足を湯船に入れる

身体を密着させる
これから行う介助によってバランスを崩さないように、身体を密着させましょう。被介助者は介助者の腰に手を回し、介助者は被介助者の背中を支えます。
(00:18~00:23)

片足ずつ湯船に入れる
身体を密着させたまま、片足ずつ湯船に入れていきます。つま先を湯船にぶつけてしまわないよう、気をつけてくださいね。
(00:24~00:35)
湯船の中で立ち上がる

膝を固定する
介助者は片足で湯船をまたぎ、被介助者の足を挟み込むようにして固定します。そうすることで、足が滑ったり膝が折れたりするリスクを軽減できるのです。
(00:36~00:41)

介助者につかまってもらう
まずは介助者の背中に腕を回してつかまってもらいましょう。そして、被介助者の進行方向側の肩甲骨と、その反対側の腰を支えます。
(00:54~00:59)

立ち上がる
前かがみの姿勢になって、立ち上がってもらいましょう。介助者が腰を落とすと、立ち上がり動作が楽になりますよ。
(00:48~00:51)
浴槽台に座る

身体の向きを変える
身体の向きを変えて、浴槽台に座らせます。このとき、介助者も一緒に腰を落としながら介助することで、腰への負担を軽減できますよ。
(00:51~01:03)

手すりにつかまる
身体が離れたら、手すりにつかまるように促しましょう。湯の中では浮力がかかるのでバランスを崩しやすく、危険なためです。
(01:04~01:15)
湯船から上がる

ずれて座る
まずは、浴槽台の端にずれて座ってもらいましょう。身体が移乗台に近づくことで、より安全に介助することができます。
(01:19~01:29)

足首を絡ませる
片足で湯船をまたぎ、被介助者の足の間に自分の足を入れます。足元は、奥側の足首に絡めるようにします。この足が、立ち上がるときに滑るのを防ぐストッパー代わりになってくれますよ。
(01:30~01:34)

介助者につかまってもらう
介助者の背中に腕を回してつかまってもらいましょう。介助者も被介助者の身体に腕を回します。支えるのは、進行方向側の腰と、その反対側の肩甲骨です。
(01:48~01:52)

前かがみになって立ち上がる
被介助者の肩甲骨を手前に引き寄せ、前かがみの姿勢を作ります。介助者の力で引き上げるのではなく、あくまで被介助者が立ち上がりやすい姿勢へ導くことをイメージしてください。
(01:41~01:45)
移乗台に座る

身体の向きを変える
身体の向きを変えて、移乗台に座らせます。このとき、移乗台が冷たいと被介助者は苦痛を感じるでしょう。移乗前にお湯をかけたり、タオルを敷いておくと親切です。
(01:46~01:55)
足を湯船から出す

身体を密着させる
足を湯船につけたまま、介助者の腰につかまってもらいます。介助者は被介助者の背中を支えましょう。お互いの重心を近づけると、体勢が安定しますよ。
(01:56~01:58)

片足ずつ湯船から出る
背中を支えながら、もう片方の手で被介助者の足を引き上げます。足を湯船にぶつけないよう十分に注意してくださいね。
(01:58~02:06)

かけ湯をする
”のぼせ”などがないか、体調を必ず確認しましょう。入浴後にかけ湯をすると、さっぱりとした気持ちになれますよ。
(02:07~02:12)
前かがみにさせることで
立ち上がりが楽になる
